日本統計学会誌
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特集:空間データとGISによる社会経済現象の分析
東京圏における年齢別単身世帯と住宅の延べ面積の地域別相関係数の地図化
小西 純
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2019 年 49 巻 1 号 p. 83-114

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抄録

我が国においては世帯規模の縮小化が進行している.世帯規模と住宅規模には相関関係があることから,世帯規模の縮小化の進展は既存住宅ストックとのミスマッチを発生させる要因となりうる.単身世帯と住宅規模との関係を把握することが求められるが,単身世帯や住宅規模の分布は地域性があることから,地域別の現状を統計データで捉えることが重要である.一方,統計データを利用して地域分析を行う場合,国勢調査の市区町村別の集計結果など都道府県や市区町村の地域単位に集計されたデータが利用されることが多い.このような地域データの分析は,集計地域単位や分析対象地域のサイズによって分析結果が異なる「可変単位地区問題」に注意する必要がある.本稿では,国勢調査に関する地域メッシュ統計データとGISを使い,移動窓法により任意の地域の相関係数を計算し,地域分析における空間スケールについて評価する.さらに,評価を踏まえて年齢別単身世帯と住宅の延べ面積別世帯の関係の分布を地図化し,両者の関係の地域性について考察する.

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© 2019 日本統計学会
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