本論文は,連続時間自己回帰移動平均(Continuous time Auto-Regressive Moving Average, CARMA)モデルのレビューを行う.まず,離散ARMA時系列モデルの自然な拡張としてCARMAモデルを定義する.次に,CARMAモデルの定常条件,共分散関数や密度関数,分布関数を導き,CARMA過程を離散サンプリングした過程の性質を調べる.最後に,2種の実データ(高頻度金融時系列データ,Brookhaven乱流データ)を使ってCARMAモデルの応用分析例を紹介する.本稿は2019年度統計関連学会連合大会におけるPeter Brockwell教授の講演スライドをもとに作成されている.