2021 年 50 巻 2 号 p. 317-342
教師あり学習において予測モデルの学習に利用する教師データ(ラベル)の取得に非常にコストがかかる一方,教師なしデータの取得が容易な状況が多く存在する.適応的にラベルを付与するサンプルを選択することで限られたコストで精度の高い予測モデルを得る方法論として,能動学習がある.本稿では能動学習の基本的な問題設定と,最近の研究動向を紹介する.特に,ラベル付けをするサンプルを選択するための獲得関数をデータから学習するアプローチ,能動学習の理論的保証,逐次的なデータ取得の停止基準に関する研究を紹介し,さらに材料開発や物質の計測の効率化への応用事例を紹介する.