2023 年 53 巻 1 号 p. 169-183
私が行ってきた研究の中で,タグチメソッドに関する仕事をレビューした.初めに混合系直交表における主効果と交互作用の交絡パターンとその大きさを述べた.L12,L18,L36のいずれにおいても,割り付ける列をうまく選べば,交絡が最小限に抑えられることを示し,タグチメソッドで混合系直交表が推奨される根拠を明らかにした.次に,信号因子と誤差因子の二元配置データにおいて比例式モデルに基づく新しい全2乗和の分解を述べた.この研究の動機付けとなった事例についても詳しく紹介した.最後に,SN比の比較に関する統計的検定を,信号因子と計測特性の様々な尺度構成により分類し,それぞれで統計学的に定式化し検定法を具体的に示した.