スポーツ社会学研究
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サッカーと日本社会のイベント化
マンツェンライター W.杉本 厚夫
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2004 年 12 巻 p. 25-35,105

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抄録

20世紀後半の日本サッカーの隆盛は、社会的・文化的な変化のより広い文脈に言及しないで十分に把握することができない。そこで本論文では、サッカーを参加している観衆による一時的な集団のために特定の条件下で作り出されるイベントとして捉える。そして、人類学の見地から、サポーターと観客がスポーツイベントの「演技」における中心的な役割を占めていることについて論じる。また、社会学的な見地から、その特定の構造と中身 (スポーツ) のために、イベントが後期近代の住民の社会的ニーズを満たすために適切であることを開示する。その結果、イベントの中心的な意味がその特別な経験を強調し続ける一方で、一般的なイベントの意味が特別なことから普通のことに変化したのにつれて、サッカーが日本社会のイベント化の中で典型的な役割を演ずるようになったことを論じる。

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© 日本スポーツ社会学会
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