日本血栓止血学会誌
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特集:血液凝固の制御機構と臨床応用への展望
アンチトロンビンの構造と機能
秋田 展幸鈴木 宏治林 辰弥
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2014 年 25 巻 1 号 p. 23-32

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抄録
要約:血液凝固反応は,血漿中のセリンプロテアーゼ凝固因子前駆体の逐次的活性化により生成したトロンビンがフィブリノーゲンをフィブリンに変換することにより完結する.凝固反応の行き過ぎにより血栓症が引き起こされると考えられるが,生体はそれを制御する機構としてプロテアーゼインヒビターによる凝固制御系とプロテインC 凝固制御系を有する.プロテアーゼインヒビターによる凝固制御系において,中心的な役割を果たすのがセリンプロテアーゼインヒビター(SERPIN)であり,SERPIN 蛋白質の中で凝固制御において最も重要な役割を担っているのがアンチトロンビン(AT)である.加えて,AT は,抗炎症作用,腫瘍増殖抑制作用および抗ウイルス作用なども有することが示されている.
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© 2014 日本血栓止血学会
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