日本血栓止血学会誌
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特集 血小板膜蛋白受容体の基礎と臨床応用
C 型レクチン受容体
井上 克枝
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2015 年 26 巻 1 号 p. 29-34

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抄録
要約:C 型レクチンとは,カルシウム依存性の糖鎖結合活性を持つ蛋白質を指すが,ある種のC 型レクチンは,カルシウム非依存性に糖以外のリガンドにも結合するように進化してきた.C 型レクチン受容体とは,膜貫通型受容体の形をとるC 型レクチンであるが,血小板にはCLEC-2,P-selectin,DC-SIGN,Lox-1,CD93,CD23,CD69 の7 種が発現している.これらは他の細胞の膜蛋白やウイルス外皮蛋白,酸化LDL など多彩なリガンドに結合して,止血血栓のみならず,リンパ管発生や血管統合性維持など多彩な役割を示す.本稿では血小板に発現するC 型レクチン受容体について,個々の構造や機能,臨床応用の可能性などについて概説する.
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© 2015 日本血栓止血学会
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