日本血栓止血学会誌
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26 巻, 1 号
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特集 血小板膜蛋白受容体の基礎と臨床応用
  • 山之内 純
    2015 年 26 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/24
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  • 國島 伸治
    2015 年 26 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/24
    ジャーナル フリー
    要約:ロイシンリッチリピート蛋白ファミリーに属するGPIb/IX/V はGPIIb/IIIa に続いて血小板に数多く発現する巨核球/血小板特異的受容体である.GPIb/IX/V はvon Willebrand 因子(vWF)受容体として一次止血に働くが,血栓止血以外にも幅広い生理的および病理的現象に関わることが明らかになっている.先天性GPIb/IX/V 欠損は重篤な出血症状と巨大血小板性血小板減少症を呈するBernard-Soulier 症候群を引き起こし,vWF 受容体の機能獲得変異は血小板型von Willebrand 病を引き起こす.GPIbα に存在する2 対立遺伝子多型はヒト血小板抗原(HPA-2)となり,血小板輸血不応等の原因となる.また,血小板製剤の低温保存による生体内半減期短縮は,低温暴露によるGPIb/IX/V クラスタリングが原因である.GPIb/IX/V とvWF の結合を標的とした抗血小板薬の開発研究も進行中である.
  • 堀内 久徳
    2015 年 26 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/24
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  • 井上 修
    2015 年 26 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/24
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    要約:Immunoglobulin-superfamily(Ig-SF)は原始的な生物にも存在する膜蛋白である.生命の進化に合わせ機能が継ぎ足され,現在は数千種類の多様性を持つ一大ファミリーとなった.その一部は,血栓止血の中心的な役割を担う血小板でも,膜蛋白として利用されている.傷からの出血を早く止めることが生存競争の重要課題であった哺乳類では,血小板膜上にIg-SF を持つことが迅速な血栓止血に決定的なアドバンテージをもたらし,現在の繁栄の一因になったと想像される.本稿では血小板膜上のIg-SF に焦点をあて,その役割について紹介したい.
  • 井上 克枝
    2015 年 26 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/24
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    要約:C 型レクチンとは,カルシウム依存性の糖鎖結合活性を持つ蛋白質を指すが,ある種のC 型レクチンは,カルシウム非依存性に糖以外のリガンドにも結合するように進化してきた.C 型レクチン受容体とは,膜貫通型受容体の形をとるC 型レクチンであるが,血小板にはCLEC-2,P-selectin,DC-SIGN,Lox-1,CD93,CD23,CD69 の7 種が発現している.これらは他の細胞の膜蛋白やウイルス外皮蛋白,酸化LDL など多彩なリガンドに結合して,止血血栓のみならず,リンパ管発生や血管統合性維持など多彩な役割を示す.本稿では血小板に発現するC 型レクチン受容体について,個々の構造や機能,臨床応用の可能性などについて概説する.
  • 宮崎 洋
    2015 年 26 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/24
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    要約:血小板に発現する代表的な1 回膜貫通型受容体として,トロンボポエチン(TPO)受容体のMPL が知られている.MPL は細胞質ドメインにチロシンキナーゼ活性を持たないが,細胞内のJanus kinase 2(JAK2)によるチロシンリン酸化を通じてTPO シグナルを伝達する.TPO/MPL シグナルは血小板産生を促進し,骨髄ニッチにおける造血幹細胞の静止期維持にも関わっている.先天性無巨核球性血小板減少症(congenital amegakaryocytic thrombocytopenia; CAMT)では,c-mpl 遺伝子変異により機能的なMPL の生合成が行われない.また,MPL の恒常的活性化変異は骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms; MPNs)の原因の一つである.さらに,MPN の主要な原因であるJAK2 V617F 変異によるMPNs の発症にMPL の関与が示唆されている.
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凝固・線溶・血小板タンパク質の機能発現機構
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