2015 年 26 巻 4 号 p. 385-395
要約:新規経口抗凝固薬(Novel Oral Anticoagulant, NOAC)は,既存薬のワルファリンとは異なり,血液凝固第Xa 因子もしくはトロンビンに対する直接的阻害作用を有する,新しい経口抗凝固薬である.これら新薬の臨床開発にあたっては,それぞれ非弁膜症性心房細動患者においてワルファリンを対照薬として大規模な国際共同試験および国内開発試験が実施されたことは記憶に新しいところである.本稿においては,世界で最初に承認された経口血液凝固第Xa 因子阻害薬であるリバーロキサバン(Rivaroxaban)を例にとり,その薬理作用をはじめとして,前臨床研究から各適応症の臨床開発の経緯について,製薬企業の立場から紹介したい.