熱物性
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フラッシュ法による不透明板で挟んだ透明体の熱拡散率測定法
細野 和也西 剛史太田 弘道
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2018 年 32 巻 2 号 p. 80-87

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抄録

吸収係数と試料厚さの積である光学厚さが0.1程度より小さい半透明体の熱伝導は,拡散伝熱と端面間の放射熱伝達に近似できることが確認されている.端面間の放射伝熱が拡散伝熱に比較して無視できる温度域では,通常の拡散伝熱を想定した測定法が適用でき,単層ガラスの熱拡散率が測定されている.無視できない温度域においては端面間放射伝熱による測定誤差が生じるため,両端を不透明化した単層材に対して端面間放射伝熱を考慮した測定法が開発されている.しかし,従来の方法では熱容量や熱拡散率が無視出来るような薄膜を両端の不透明膜として用いていたため蒸発や拡散が活発となる高温域では不透明膜の耐熱性に限界があった.光学厚さが小さく透明体近似可能な半透明体を耐熱性が高く熱容量と熱拡散率を無視できないような厚さの不透明材で挟んだ3層材料として,低温域から高温域まで広い温度域で透明体の熱拡散率測定が可能な方法を検討した.このような3層材料の熱伝導方程式を試料表裏面の放射損失を考慮してラプラス空間で解析し,裏面温度式を導いた.同式を用いて光学厚さが小さい第2層半透明体の熱拡散率,透熱係数およびビオ数をラプラス空間における最小二乗法にて決定する方法を検討した.具体的にはこれらを独立変数として解析する方法(直接法)と実空間における試料裏面温度の低下領域の減衰時定数を用いて導出する方法(時定数法)を取り上げ,両方法とも解析対象層の熱拡散率を求められることを精度評価により実証した.

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© 2018 日本熱物性学会
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