獣医臨床皮膚科
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皮膚病罹患犬における総T4値の診断的意義
永田 雅彦寺田 有里村山 信雄
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キーワード: , 甲状腺機能低下症, 総T4
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2009 年 15 巻 3 号 p. 141-143

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抄録
皮膚病罹患犬における総T4値の診断的意義を再考した。甲状腺機能低下症の検討を要した犬161例と健常犬7例の総T4値(CLEIA法,三菱化学メディエンス株式会社動物検査センター)を測定した。甲状腺機能低下症罹患犬の総T4値は0.2±0.6 μg/dlと明らかに低かった(健常犬参考値0.5~2.8 μg/dl)。さらに甲状腺機能低下症罹患犬のT4値は,本症に罹患していない各種皮膚疾患の平均総T4値の下限1.3 μg/dlを超えなかった。以上より,甲状腺機能低下症罹患犬はいずれも総T4の低値を示すこと,また甲状腺機能低下症の評価に甲状腺機能低下症非罹患犬の平均値を基準としたスクリーニング検査が有用であることが推察された。
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© 2009 日本獣医皮膚科学会
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