2014 年 20 巻 2 号 p. 85-89
特徴的な牙痕および臨床症状からニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)の咬症と診断した猫2症例の治療例を報告する。両症例とも夜間外出中に受傷したと思われ,家に戻ってきた際,症状は認められなかったが,翌朝には顔面が腫大していた。両例とも受傷した約12時間後に受診,症例1は下唇に牙痕を1ヵ所認め,下顎に高度な浮腫が見られた。症例2は前頭部に2ヵ所の牙痕を認め,顔面と下顎に高度の浮腫が観察された。両例とも初診時にプレドニゾロンを2.3~4.0 mg/kg投与し,その後漸減,抗生物質も投与したところ,4日間ほどで回復した。