獣医臨床皮膚科
Online ISSN : 1881-2236
Print ISSN : 1347-6416
ISSN-L : 1347-6416
症例報告
ハチ毒素免疫療法に用いられるヒトアルブミンに感作されたイヌにおけるアナフィラキシーの1例
Christopher P. HudecMona J. BoordCraig E. Griffin
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 25 巻 3 号 p. 143-147

詳細
抄録

ハチ毒免疫療法は刺咬症による毒素に対する致死的な反応の可能性を減弱させる。ハチ毒免疫療法は安定化のためにヒトアルブミンが必要である。本症例はハチ毒免疫療法の最中にアナフィラキシーを発症したラブラドールレトリーバーの1例である。比内試験によりヒトアルブミンに対する継続的な感作が認められた。ハチ毒免疫療法がヒトアルブミンに対する感作のリスク因子であるかについて調べるため,ハチ毒免疫療法が施された4頭の犬と6頭の健常犬,6頭のアトピー犬に比内試験を行った。1頭の犬がヒトアルブミンに対して反応を示した。この犬はハチ毒免疫療法で治療されているが臨床症状は示していない。ヒトアルブミンを含むハチ毒免疫療法がこのタンパクに対する感作とアナフィラキシーを起こす可能性がある。

著者関連情報
© 2019 日本獣医皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top