獣医臨床皮膚科
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症例報告
片側膁部に限局した休止期脱毛を認めた精巣腫瘍の犬の1例
横山 大希川原井 晋平榎本 力弥菅原 優子安齋 眞一斑目 広郎茅沼 秀樹
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2019 年 25 巻 3 号 p. 149-152

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抄録

11歳齢,未去勢雄のミニチュア・ダックスフンドが右膁部の限局性脱毛を主訴に来院した。皮膚科検査にて休止期脱毛を認めたために画像検査を行い,皮下陰睾,前立腺肥大,腹腔内腫瘤を認めた。血清エストラジオール(E2)の高値とテストステロン/E2比の低値を示したため分泌性精巣腫瘍を疑った。腹腔内陰睾を外科摘出後,病理組織学的検査にてセルトリ細胞腫とセミノーマの混合腫瘍,皮膚生検にて皮膚萎縮と休止期毛包と診断した。術後に血清E2の低下と発毛があり,E2分泌性セルトリ細胞腫による性ホルモン性脱毛と診断した。

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© 2019 日本獣医皮膚科学会
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