2024 年 30 巻 3 号 p. 139-145
周期的に反復する前肢の指間血疱を7例の犬に認めた。犬種はペキニーズとシー・ズーが各3例,フレンチ・ブルドッグ1例,平均発症年齢は4.3歳齢であった。指間の腫脹は両側ないし片側に第2と第4指間に好発,跛行と共に急性に生じた。病変は数日で出血し消退,1~8週毎に再発した。全例で前肢の前屈・外反がみられた。血管強化薬のカルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物を服用し長期追跡できた4例で寛解が得られた。犬種や加齢の関与した構造的歪みに起因する血管破綻を予想した。