抄録
1999年1月から2003年3月までに沖縄島において捕獲されたジャワマングース2,618頭についてマダニ類の寄生状況を調査した。採取したマダニ類は1,434個体で,寄生率は19.1%であり,寄生損壊個体を除く1,317個体はミナミネズミマダニ(Ixodes granulatus),タカサゴキララマダニ(Amblyomma testudinarium),ヤマアラシチマダニ(Haemaphysalis hystricis),タカサゴチマダニ(H.formosensis)およびキチマダニ(H.flava)の3属5種であった。今回の調査から,感染症媒介能を有する可能性があるマダニ類が沖縄島のマングースに寄生していることが明らかとなり,感染症発生の予防という公衆衛生上からもマングースの制御が重要であると考えられた。