日本野生動物医学会誌
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特集論文
九州・沖縄における野生動物問題の現状と取り組み
谷川 ももこ小川 順子杉本 悠真鈴木 尋長嶺 隆玉井 勘次吉田 博美
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キーワード: 野生生物問題, つながり
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2011 年 16 巻 1 号 p. 39-43

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抄録

 今大会における学生集会では,「九州・沖縄における野生動物問題の現状と取り組み」という開催地に沿ったテーマで,次世代を担う学生たちに広い視野と知識,興味をもってもらうことを目的として,九州・沖縄で野生動物に関して活動されている3名の講師による講演と,フリートークによる活発な意見交換を行った。講演で,長嶺隆先生(NPO法人どうぶつたちの病院)は,沖縄のやんばるにおけるヤンバルクイナと西表島におけるイリオモテヤマネコの保護活動について,イエネコが生態系にもたらす影響や地域住民との協力の重要性などについてお話いただいた。吉田博美先生(日本ウミガメ協議会)には,アカウミガメにとって重要な産卵地の1つである宮崎で,学生時代に行っていた活動について,学生として野生動物への関わり方,将来へどうつなげていくかなどのお話をしていただいた。玉井勘次先生(鹿児島市平川動物公園)には,九州に上陸した外来種であるジャワマングースについて,分布や拡大要因,取り組みなどの最新情報の報告をしていただいた。多くの学生が野生動物に関する興味を深め,人と人との「つながり」の重要性や野生動物問題に関する知識を深めることができた本大会の学生集会は,学生達が野生動物に関する興味や知識を深め,野生動物医学の更なる発展にもつながる重要な場である。

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© 2011 日本野生動物医学会
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