抄録
電解水は強力な殺菌作用をもち、生体組織や環境への影響が少ないという利点から、歯科の分野に用いられるようになってきた。しかし、電解酸性水の最大の欠点として、金属の腐食があげられる。本実験では歯科用合金の鋳造板状試験片を強電解酸性水、弱電解酸性水および電解中性水中に7日間浸漬し、腐食に伴う各合金の変色を肉眼、色彩計および走査型電顕で観察し、さらにX線マイクロアナライザで表面に生じた腐食生成物の同定を行った。金合金、金銀パラジウム合金および銀合金の腐食は、強電解酸性水中で最も強く、電解中性水中で最も弱くなる傾向が認められた。一方、コバルト・クロム合金は強電解酸性水中での腐食が弱電解酸性水中、電解中性水中より弱いことがわかった。純チタンはいずれの電解水中においても腐食しなかった。