公共図書館の大きな課題のひとつは,コミュニティのニーズにいかに応えるかということではなかろうか。最近の公共図書館は,地域社会の文化センター,学習センター,あるいは情報センタ-としての役割を求められており,地域社会に結びついた効果的なサービスを展開するには,住民のニーズ,とりわけ潜在的ニーズの把握がきわめて大切になってきている。潜在的ニーズ把握のための方法として社会調査があるが,本稿は武蔵野市教育委員会が行った市立中央図書館に関する市民意識調査の紹介である。調査前の予測と調査結果が合致して,予測を検証したにすぎない点も少なくなかったが,予想外の結果も得られ,図書館評価のうえで参考になった。