本稿は,近年の高等教育をめぐる環境の変化に対応し,英国でこれまで4回実施された高等教育の研究評価(Research Assessment Exercise: RAE)について概観・現状・問題点を資料研究および現場の関係者(大学の教職員)に非公式な口頭調査を実施してまとめたものである。時系列にしたがって,各回のRAEの方法がどのように修正されてきたか示し,同時に,毎回RAEの事後に出た批判に対し,実施機関であるHEFC (Higher Education Funding Council)がどのような調整をしてきたかを説明している。また,既に,英国内の有識者によって実施された事後調査研究などを参照することにより,英国内でこの制度がどのように受け止められているかについても述べている。