記録は,政府,自治体,企業,団体など,あらゆる組織体の活動の歩みを示す証拠であり,組織体がアカウンタビリィ(挙証説明責任)を果たすために,また新たな創造的活動を展開するために不可欠な情報資源である。それだけでなく,記録は時に人の命や人権を守るちからを持つ。記録を守りアーカイブズ・システムを整備することは,民主主義を支える土台である。本稿では,従来のレコード・マネジメント(記録管理)とアーカイブズを統合した「レコードキーピング」という新しい考え方を軸にしながら,中小規模の組織体において,いかに記録管理とアーカイブズのシステムを構築していけばよいのか,筆者の小さな経験を踏まえつつ考える。