企業におけるライブラリーサービスは,電子ジャーナルに代表されるインターネットを通じた情報流通の拡大に伴い変化し,従来の資料の保管・管理から情報の流通をマネジメントする機能へと変化している。このライブラリー部門にもとめられる機能の変化について,アサヒビール(株)研究開発センターにおける運営の事例とともに,2008年に実施したライブラリー設計のコンセプトを紹介する。新ライブラリーは建物の吹き抜け部分への移動であったため,書架の配置などデザイン的に制約が多かったが,「オープンな図書室」をコンセプトに,調査研究とコミュニケーションを両立できるスペースを提案した。また,これからのライブラリー機能に必要とされる機能について,現在進行形の取り組みについても述べる。