2015 年 65 巻 5 号 p. 223-228
知的財産権というのは,知的財産権の効力の傘の下で産業を発展させることができる点で地域活性化のために有益であるのは言うを待たないが,それだけでなく,知的財産権を取得する過程で得られる知見,気付きや経験,スキルといったものも,実際には地域活性化のために有益である。特に,地域団体商標に係る商標権の取得プロセスを通じて,独占排他権たる商標権が得られるだけでなく,その地域の独自性やユニークさを適格に見出すことができる。そしてそこで得られた経験やその過程で作られた組織規定,並びに最終的に得られた商標権は,その独自性を発展させ,地域を豊かにする際にも役立つ。