2016 年 66 巻 10 号 p. 531-537
近年,大学図書館において積極的に,情報リテラシーに関わる教育活動が行われるようになってきた。一方,1990年代後半から,さまざまな「新しい能力」に関する概念が提案されてきており,情報リテラシーという概念もその拡張を余儀なくされている。本稿では,「新しい能力」の視点から,大学図書館において求められる情報リテラシー教育とはどうあるべきかを検討し,その展望を描きだすことを目的とした。具体的には,「つながる学習(Connected Learning)」の学習論に着目し,本学習論から導きだされる情報リテラシー学習のための学習原理および学習環境のデザイン原理について考察する。