2018 年 68 巻 12 号 p. 574-579
学術論文の数が加速度的に増加する中で,研究活動に必要な最新の情報を逐一入手することは,もはや研究者の手に負えなくなってきている。人工知能は,このような問題への解決の糸口を与えるものと期待される。そこで本稿では,人工知能による学術情報の検索・理解支援に焦点をあてて,(1)大量の論文の中から関連論文を容易に見つけるための検索・推薦技術,(2)論文の内容を素早く的確に把握するためのキーワード抽出・自動要約技術,(3)論文に書かれた知識を抽出して活用するための言語解析・知識獲得技術などについて,現状と課題を概観する。