2018 年 68 巻 7 号 p. 332-337
テキストマイニングにPLSA(確率的潜在意味解析)とベイジアンネットワークという2つの人工知能技術を応用した新たなテキスト分析技術とそれを特許文書データに適用した分析事例を紹介する。風や空気に関連する約3万件の特許公報の要約文を対象とし,PLSAの実行でその要約内容を数十個のトピックに集約して全体像をシンプルに理解可能にした。またそのトピックを軸に,技術のトレンドを把握したり,各出願人のポジショニングを可視化することで提携戦略や競争戦略の検討について考察した。さらにベイジアンネットワークにより用途と技術のトピック間の確率的因果関係をモデル化することで,企業が保有する技術の新たな用途展開の着想を検討した。