2019 年 69 巻 7 号 p. 292-297
IPランドスケープは,広義では「知財経営」に相当し,難度が極めて高く実効性に欠けるため,実践企業は未だ数少ない。著者は,知財担当者の多くが特許調査に終始したり,その延長としての特許マッピングに甘んじている状況を打破すべく,情報解析に焦点を当てた「知財情報戦略」を開発し,日々実践,ブラッシュアップしてきた。「知財情報戦略」は,狭義のIPランドスケープとも称され,各種経営課題に対応可能である。本稿では,企業知財部にとって最も疎遠と目される「マーケティング」に焦点を当て,事例を中心として「知財情報戦略」を紹介したい。