2016年度から2018年度までの3年間,金沢海みらい図書館で「図書館で過ごす時間を豊かにする椅子」をテーマに,学生デザイン教育に重点をおいたワークショップを通して約60脚の椅子のプロトタイプ制作を行った。研究方法としては,図書館を利用する様々な人の所作と動線を観察し,そこからの気付きを元に図書館における読書を快適にサポートする椅子のプロトタイプ制作を行った。実際に図書館に展示し座ってもらい人気投票の上位に選ばれた椅子の特徴としては,読書環境に着目した椅子,読書の所作や姿勢を考慮した椅子,図書館での一連の行動の流れを重視した椅子が挙げられる。これらの椅子のデザインは,‘みらい’の図書館に新しい読書体験をもたらしてくれると考えられる。