本稿は,世帯の社会人口的属性だけでなく,家計の消費,所得,資産といった経済的属性の捕捉を指向した,わが国の代表的な公的統計調査である家計調査と全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)を例に,家計消費の十大費目の実態を明らかにしている。本稿では,第1に,近年における十大費目の変化の動向,さらには貯蓄現在高や年間収入との関連性を明らかにした。第2に,全国消費実態調査のミクロデータの特性を生かしつつ,世帯類型と配偶者の就業選択の違いが世帯の消費の構成に与える影響についての実証分析に関する成果について述べた。