「ビッグデータ」は,魅力的なワードであり,情報技術,特にインターネットや記憶装置の異常なまでの発展に伴い,大きな期待と注目を浴びてきた。しかし,実際にビッグデータを活用しようとすると,統計学をはじめとするデータ解析の技術がキーポイントになることが認識されてきた。すなわち,本質的なことは,「ビッグ」なデータを扱うことではなく,「データ」を活用することである。これらの活用のためには,データを扱うための考え方を整理する必要がある。本稿では,データに関係する状況,推測統計と記述統計,その発展形を含めて取り扱う。それらにより,データを活用して,実社会に役立てる方法を議論する。