2017年3月,内閣府知的財産戦略本部は,生成AIが著作権法等との関係で新たな問題を生じさせ得ることから,想定される論点とその考え方を整理した。もっとも,生成AIの実用例が乏しかったこともあり,当時は,具体的な検討は今後のAI技術の変化等を踏まえて行うこととされた。あれから約7年が経過し,事態は大きく変化している。生成AIが急速に浸透し,我々の生活にメリットをもたらす一方で,不安や懸念も生じさせている。そこで本稿では,改めて,生成AIと著作権法等に関する課題について分析し,対応の方向性について検討する。