2026 年 76 巻 2 号 p. 72-77
神戸大学附属図書館は,1995年1月17日発生した阪神・淡路大震災の被災地の中にある大学図書館の責務として「震災文庫」を発足させた。同年10月の一般公開以降,震災資料の収集・保存・公開を目的とした活動を続けてきている。本稿では,この30年間の沿革について概説し,30年続けてこられた要因について考察する。また,震災資料特有の特徴から,利活用されるための課題が見えてきている。さらに,収集開始から30年を経過した現在,社会情勢の変化によって個人情報の保護や肖像権など,公開当時はあまり重視されていなかった事柄が資料の公開に影響を与えてきている。これら震災文庫の現在の課題等について紹介する。