令和3年の著作権法改正で新設された特定図書館等による公衆送信制度に関し,補償金の収受・分配を担う唯一の団体であるSARLIBの運用実態と課題を報告する。令和7年3月の業務開始から1年余りで約13,000件の利用があり,検索が容易で著作物全部の送信が可能である定期刊行物が圧倒的多数を占めた。収受した補償金総額は約1,725万円である。管理手数料控除後の分配事業においては,権利者の特定や,その最新の口座情報等の把握は必ずしも容易ではなく,利用1件あたりの平均分配額が少額なため,探索コストを抑えた効率的な分配方法の構築が急務となっている。