抄録
平成20年6月14日午前8時43分, 岩手県内陸南部を震源とする岩手・宮城内陸地震が発生した。この地震により, 岩手県一関市の市野々原地区では, 地質構造の特異性及び地山の脆弱性に起因した地すべりが発生した。すべり面判定のため, ボーリング孔を利用したパイプ歪計による動態観測を行ったが, 明瞭な地すべり変動は認められなかった。そこで, ボーリングコア試料を用いて各種室内試験を実施したところ, スメクタイトの定量分析と炉乾燥法による改良型膨潤試験結果から深度47~48m付近の崩積土中からすべり面の証拠となるデータを得た。変動が確認されない地すべりのすべり面判定にあたり, これら物理・化学試験法の有効性が明らかになった。