日本地すべり学会誌
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論文
深層学習による崩壊・非崩壊地の自動判読手法の開発
菊地 輝行崎田 晃基秦野 輝儀吉川 慶西山 哲大西 有三
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2019 年 56 巻 5 号 p. 255-263

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抄録

 平成23年台風12号で発生した38箇所の崩壊事例の崩壊前後の航空レーザ計測データは, 崩壊前の地形に重力変形が存在していることを示唆している。本研究は, この航空レーザ計測データについてウェーブレット関数を用いた微地形強調図を作成し深層学習を実施した。筆者らは畳み込みニューラルネットワークを用いて50ピクセルのタイル化された画像を非崩壊地も含め9206個を解析し, 崩壊地で80.8%の正答率, 非崩壊地で91.1%の正答率が得られた。詳細な検討の結果, 崩壊地の解析結果は, 明瞭な滑落崖を含まず不規則凹凸や不明瞭な小崖を含んでおり, 学習の成果が認められた。一方, 非崩壊地の解析結果のうち崩壊と判定されたタイルは, 誤判読ではあるが, 学習成果である地形的特徴を含んだ地形を含んでいた。これは単なる誤判読ではなく, 将来的に不安定となる地形要素を有していると理解できた。これらの成果は, 今後斜面崩壊の予察を行うために期待できる。

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© 2019 公益社団法人 日本地すべり学会
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