抄録
北海道札幌市郊外の国有林に位置する定山渓森林理水試験地は積雪寒冷地における森林水文研究のため1987年に設置された。試験地は隣接する2小流域 (時雨1の沢、時雨2の沢) からなり、両流域の流出量ならびに気象露場での降水量の観測が継続されている。1991年から2012年にかけての日降水量・日流出量は公表済みである。本報告では2013年から2017年にかけての日流出量・日降水量について取りまとめた。観測期間中に発生した事象は次の通りである。2013年4月7日に日降水量76.5mmの強い降雨が発生し、融雪出水ピークと相まって大量の土砂が2流域の沈砂池に流入した。この際、時雨2の沢では量水施設でのオーバーフローが発生した。翌2014年2月21日から3月3日にかけて重機による沈砂池の浚渫工事を行った。ロガーの電池切れや操作ミス等により降水量の長期の欠測が発生した。流域内では形状比の上昇やエゾシカの増加が原因と考えられる立ち枯れ・倒木が目立つようになった。