2021 年 58 巻 1 号 p. 16-27
大規模な地震に伴う地すべり災害事例が数多く確認されているが, 地震加速度を受けた地すべり土塊の変位量を算定する簡便な手法は一般化されていない。今回, 非円弧のすべり面をもつ大規模地すべりを例に, 地すべり滑動を滑動力と抵抗力との釣り合いとして扱うとともに, 地震加速度を加味する手法を用いて地震時における地すべり変位量の算定を行った。その結果, 実際に変位が発生した地震において滑動する現象を再現することができた。本手法により, 簡便法に基づく安定解析断面や粘着力, 内部摩擦角を活用して土塊の耐震性能を簡便に照査でき, 地すべり防止区域の管理に有効な手法であると考えられる。