日本地すべり学会誌
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論文
土壌雨量指数を用いた豪雨時の間隙水圧推定法と中山間地域での土砂災害警戒への利用について
矢部 満, 上野 将司, 谷川 正志, 蚊爪 康典
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2021 年 58 巻 1 号 p. 28-39

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抄録

 近年豪雨に伴う土砂災害が頻発しており, それら災害では中山間地域での高齢者などの社会的弱者が犠牲になるケースが見られる。この場合, 社会的弱者が余裕を持った避難が行えるような警戒発令を行うことが重要だが, そのための基準値策定の具体的な方策はまだ見つかっていない。本研究では, 土壌雨量指数を用いた表層崩壊の誘因となる地盤の間隙水圧の推定法について, 中山間地域の長野県辰野町の斜面に適用し, 2006年の豪雨時の土石流災害の契機となった表層崩壊発生時の間隙水圧推定への適用の妥当性を示した。さらに, 避難の目安になりうる道路の通行止めの原因となった土砂流出発生の検証においても本推定法の妥当性が認められた。一連の成果を踏まえ, 土壌雨量指数による地盤の間隙水圧推定法が, 中山間地域の社会的弱者が豪雨時に安全にかつ適時に避難するための土砂災害警戒基準値の合理的設定に寄与できることを示した。

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© 2021 公益社団法人 日本地すべり学会
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