家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
山羊精液中の卵黄凝固酵素に関する研究
VII.精液中の酵素量の季節ならびに採取回次による変異
入谷 明西川 義正長沢 成吉
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1964 年 10 巻 2 号 p. 52-56

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抄録

山羊精液中の卵黄凝固酵素の凝固強度に影響を及ぼす要因として,この実験では3頭のザーネン種山羊について個体別に採取回次とか採取季節の問題をとりあげ,これらが凝固強度にどのような影響を与えるかを検討した。なお精漿成分のうち主として精のうから分泌されると考えられている果糖,クエン酸,蛋白なども同時に定量し,これら3者と凝個強度との関連性についても比較検討した。
1)凝固強度はいずれの山羊についても,非繁殖季節よりも繁殖季節の方が有意に高い傾向が認められた。
2)個体ならびに季節の如何にかかわらず,110例の連続3回採取試験についてまとめた結果,凝固強度は1回,2回,3回目と採取回次のすすむにつれて有意に上昇することが知られた。
3)主として精のう由来の成分と考えられる果糖,クエン酸,蛋白の濃度は非繁殖季節よりも繁殖季節において有意に高いことが認められた。しかし凝固強度の場合と異り,これら3成分の濃度については採取回次による有意差は認められなかった。

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