抄録
日本は超高齢社会であり高齢慢性腎臓病患者の数は増加している.加齢により生理的機能が低下し,腎機能低下や多数の併存疾患などの影響により慢性腎臓病・透析患者はサルコペニア,フレイルになりやすい.高齢者の健康寿命を延ばすことが重要とされる近年,高齢慢性腎臓病患者の幸福のためには身体機能を維持するということは必須であると考える.慢性腎臓病患者の健康寿命を考慮するうえで医療的な介入は当然だが,身体機能や栄養的側面,社会的貢献からのアプローチが大変重要になる.基本的なサルコペニア・フレイルの概念・診断からCKD患者におけるサルコペニア・フレイルの頻度・予後・対策を論文的考察を加え検討した.