抄録
歩行や運動は動脈硬化,それに伴う心血管疾患への予防的治療として重要である.しかし糖尿病や下肢閉塞性動脈硬化症を基礎に持つ患者は足に傷ができてしまうと重症化する恐れがある.フットウエアは歩行による創傷の発生を予防する目的を持っている.フットウエアを作成するには様々な足のアセスメントが必要であり,足の形状だけではなく歩行そのものに問題があれば創傷予防は困難である.歩行アセスメント・歩行修正を行い,さらには除圧・ズレ防止・歩行修正による圧の分散ができるフットウエアを着用することで効果的な創傷予防が可能となる.患者の生活スタイルに合わせたフットウエア作成,除圧方法が必要であるが,さらには作成する必要性,治療の一貫であるということを患者が理解できるよう,説明・教育を十分に行えるかが重要である.本稿ではフットウエア作成の意味,除圧方法を実際の症例を交えて紹介する.