管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
論文
株式所有構造と利益マネジメント
山本 達司
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2009 年 17 巻 2 号 p. 3-21

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抄録

本論文の目的は,「日本企業の株式所有構造の特徴である銀行支配,相互持合が,経営者の利益マネジメント行動にどのように影響を与えるのか」を理論的に説明することである.ゲーム理論の手法を用いて,経営者と株主をプレイヤーとする2期間モデルの分析を行った.分析結果は,次の2点に要約される.(1)日本企業は株式所有構造にかかわらず,一般に利益マネジメントを行う傾向がある.(2)株式所有構造によって日本企業の利益マネジメント傾向が異なり,最も強いのが株式相互持合企業,次に金融機関の支配力が強い企業,最も弱いのが特別な支配的株主をもたない企業ある.

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© 2009 日本管理会計学会
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