2017 年 25 巻 2 号 p. 19-33
高コンタクト型のサービス組織のマネジメント・コントロールにかかわる課題は,顧客とコンタクトを行うフロントラインの従業員の行動を,組織にとって望ましい方向に導くことである.サービス・エンカウンター(顧客とサービス提供者との遭遇)の質を向上させ,サービス・プロフィット・チェーンで描かれている因果連鎖を有効に機能させるためには,アンソニーのフレームワークでは不十分であり,マネジメント・コントロール・システムをパッケージとしてとらえるアプローチを採用すべきである.また,サービス・ドミナント・ロジックで前提となっている価値共創を実現する行動を支援するためには,マネジメント・コントロール・システムの構成要素のうち,文化によるコントロールに着目すべきである.そのとき,マネジメント・コントロールが働きかける対象は顧客を含むように拡張される可能性がある.