経済環境の変化にしたがって,実務に有用なものとなるように管理会計が拡張している.そのようななかで,管理会計の定義や体系を再考する必要がある.まず,管理会計を拡張しなければならない変化として,経済環境,価値創造の源泉,価値観に焦点を当てる.また,拡張した管理会計として,戦略重視のBSC,非財務情報としてのインタンジブルズ・マネジメント,固定予算による管理,ステークホルダー志向の統合報告を例示する.これ以外にも,管理会計の拡張はみられる.その拡張について,統一論題の報告者にそれぞれの立場で検討していただく.併せて,管理会計の定義はどのように移行すべきか,管理会計の体系はどうすべきかについて検討する機会となることを期待している.