管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
特別講演
研究方法の変遷と防衛装備品の価格,原価,利益に関する研究―社会への貢献を志向した管理会計研究の軌跡―
櫻井 通晴
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2018 年 26 巻 2 号 p. 3-17

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抄録

本論文は,平成29年8月28日に福岡大学において報告した2017年度年次大会での特別講演の内容を,論文として発表することを目的に,加筆・修正したものである.論文として発表するに当たり,内容だけでなくタイトルもまた講演時における「契約価格,原価,利益―研究アプローチの変遷と「訓令」の批判的検討―」から,表題のように変更した.

本稿の主目的は,防衛装備品の調達に関して,現行の「訓令」に加えて,新たにパフォーマンス基準に基づく調達基準を設けることの重要性を指摘することにある.ここでパフォーマンス基準に基づく調達基準とは,「原価を低減し,納期を早め,品質を向上し,革新的な技術を開発し,もって納税者の負担を軽減する原価,利益,価格算定の方式」のことをいう.その目的を達成するため,特別講演という性格を勘案し,まず初めに筆者の研究方法と研究対象の変遷を述べ,なぜ管理会計を専門とする筆者が防衛問題を考察するに至ったかを明らかにする.

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