2021 年 29 巻 1 号 p. 53-69
本稿は,業績情報に基づく模倣行動による情報の形成と普及の解明にコンピュータ・シミュレーションの手法を適用した探索的研究である.特に,個人レベルでの模倣の成功確率の影響に焦点を合わせた.分析の結果,模倣の成功確率が10%もあれば,高い情報の有効性・普及度が得られる一方で,情報の有効性に対する成功確率の効果は逓減するなど興味深い発見が得られた.本稿は,ミクロな個人学習とマクロな組織学習とが結びつくメカニズムの解明に一定の知見をもたらすことで,今後の管理会計研究における学習概念拡張に貢献する.