2021 年 29 巻 2 号 p. 3-11
「エビデンス(evidence)」ないし「エビデンス・ベースト(evidence-based)」は,近年の学術研究の重要なキーワードとなっている.これらの背後には,意思決定の効果や帰結に関する学術的証拠を提示し,現実の諸問題の解決に資することを目指す考え方が存在する.本稿では,こうした考え方が管理会計研究に突きつける課題として,①管理会計システムの効果と,②検証に値する因果関係や変数の探索を考察する.本稿の提言として,管理会計システムの効果として経済的帰結,すなわち財務的成果を明確に意識すること,そして,管理会計システムと財務的成果との因果関係を当面の研究対象とすることを述べる.