製品開発の予算管理を巡っては,現場の試行錯誤を如何に刺激しイノベーションを促進するかが検討されてきたが,上位管理者のPJチームとの調整や意思決定の詳細は明らかでなく,実行段階を中心に研究を行った.その結果リサーチサイトで上位管理者は,計画段階で,チームに目的・計画達成を厳命しつつ,開発組織全体の目標を示し計画変更や新規PJ提案を奨励した上で,実行段階では,チームに予算管理上の裁量を認めつつ,進捗確認と意思決定の会議を繰り返し,開発組織全体の計画を制約条件に,予算配分を巡り,チーム内,上司の管理職や他チームとの調整や提案をチームに促し,意思決定を行うことで,柔軟性と効率性が両立した業務遂行が実現していることが明らかとなった.