抄録
筆者は,これまで「存立」を目的に新事業開発を行っている地方の中小建設業の戦略を「多角化理論」の視点から分析・評価を行ってきた。本論文では,「資源ベース理論」の視点から分析・評価を行う。資源ベース理論とは,「経営資源」「組織能力」などに焦点を当てた研究である。新事業開発を行っている地方の中小建設業の戦略を事業イノベーションと捉えると,事業イノベーションを行う総合的な組織能力がCapabilityであると考えられる。そこで,地方の中小建設業の新事業開発におけるCapabilityとは何であるかを考察し,Capabilityを高めることの必要性について考察を行う。