2016 年 16 巻 p. 122-127
中小企業診断士には,診断・助言を通じて中小企業を支援する本来の役割を果たしたうえで,社会貢献が求められる。そのため,社会貢献の充実を目的としてプロボノ活動を実践する。中小企業診断士によるプロボノ活動について,支援者側の見地からその可能性と課題は何かを明らかにする。プロボノの可能性として,企業内診断士に向けた能力開発の機会,社会に対する中小企業診断士の活動啓蒙などにつながると指摘する。今後検討すべき課題として,どのような企業・団体に展開するかという支援対象の基準,個人の域ではなく集団で活動に取り組んでいく組織化,支援活動の継続性を高める仕組み化などが挙げられると主張する。